エピローグ

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 秋風が柔らかな温もりを運び、村人達の服をそよがせた。  夕闇に近づきつつある空が、ほんのりと迫ってきている。  小さな村は、直に夜の帳を降ろそうとしていた。  シャリン、シャリン  また、鈴の音が鳴った。  秋風に乗せて、鈴の音は村中に響き渡った。  その音色は小さく、哀しみの音をしている。  村人達は誰しもそう感じていた。  鈴の音に連られ、村人達が作る行列が虫が這うように畦道を進んで行く。
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