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「それだけでいいのか」
ボルメタが首をすくめる。
「いや、ガキが隙をみて逃げる可能性があるからな、気をつかうだろうよ。もし、こいつが本気で逃げようとしたら、首をはねろ」
リベルテは恐ろしいことを平気でいってのけるジョージにゾクリとくる。
「(このおっさんこええ…)」
「不死身なんじゃないのか?」
「首をはねられたらさすがに終わりだろうよ」
へえとボルメタが納得した顔になる。
「しかし…いいのか?苦労して手に入れた商品だろう?」
「しつこく動き回る商品は売り物にならん。その時は始末しろ。…後はいつ連中がこのガキの元にくるか分からん。その時は任せる」
「分かった。意外と面倒な仕事だったな。…で?奴らの正体は?分からないと対応しにくい」
「ああ。そうだったわね。ガルシオ、分かる?」
「奴らは、旦那たちがよく知っている『フリーキャット』ですぜ」
一同驚く。
「なんですって?」
「フリーキャットといやあ、あの依頼受けて、ちょっかい出してくる探偵か」
「ガルシオ。間違いないのか」
「ええ。あの店『チェリー』は依頼場所。あの背の低い優男はアルバート。フリーキャット本人ですわ」
「(あの男に感じた違和感はそれか…?)。一緒にいたもう一人の男は?」
「あの男は“カイル”ですよ、忘れましたか旦那?」
「(!)そういえば、以前依頼で調べたことがあったな…」
「雰囲気は随分と変わったようですがねぇ」
「それで。エレという女は奴らとどんなかかわりがある?」
「それが、エレはどうやら6年前までフリーキャットをしていたようで」
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