絶望と怨みの果に

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俺の村は、小さいながら皆が互いを支え合い決して裕福とは、言えないがそれぞれの生を真っとうに生きていた。 しかし、その大好きだった村が燃えている 「男は殺せ!女は誘らえ、取るもん取ったら焼き払え!」 盗賊だ この時代 小さな村が盗賊に襲われ皆殺し遭う事なんて決して珍しい事では、なかった。 俺は、山に山菜や薬草を採りに行っていたので難を逃れた……… 呆然と立ち竦んでいると、二人の盗賊がこっちに向かって来た 「おい、ガキが一匹生き残ってやがるぞ。」 「ハハ、殺しちまえ」 逃げなきゃ、そう思った、がっ所詮子供 逃げ切れる訳が無い そもそも、もし逃げ切れても、その後どうやって生きる? そう思いつつ足は、少しでも前に進んでいた。 「おーい、待てよ、おじさんと追い掛けっこか?ハハッ、命懸けの鬼ごっこか」 はっ、ミスった…………行き止まりだ……… ここらへんの道は、全て覚えてたつもりだった、しかし焦ってしまい、崖にたどり着いてしまった。 「なんだ、もう終わりか?なら死ねぇ~」 もう、諦めていた。 クジュ! 血塗れの服 しかし何処も痛くない、倒れこむ盗賊 手には、山菜を採る時に使う小さなナイフ 無意識の内に、前に出していた。 生まれて初めて人を殺した。「おい、あいつドファを殺ったぞ」 「馬鹿だなぁ、あいつも」 「ディースさんっどうします?」 ディース「おい、小僧。ドファを殺ったのは、お前か?」 「………ああ」 今度こそ終わった。 ディース「ガハハハ!そうかそうか、やるじゃねえか小僧、俺らの賊に入らないか?」 選択の余地は、無かった。このまま飢え死にするか、道を汚して生きるか 「………分かった」 「小僧、名前は、なんだ」 ダリス「ダリスだ………」 ディース「そうか、ダリス、俺の事は、頭かディースさんって呼びな」 こうして俺は、自分の村を焼き払った盗賊の一味になった。
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