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冥さんと香月は肩を寄せ合いながら、顔を真っ青にして震え上がっている。毎日こっちがストレスに追われているぶん、意外と気分がいいなこれ。もうちょっといじめてみるか。
「ちなみに仕事が終わるまで外出許可は出せないよ」
ニヤリと笑う僕。そして何かに気づいた哀れな2人。
「春日さんの鬼ー!」
「三佐の畜生っ!」
はーはっはっは。いくらでも言うがいい。痛くも痒くもないわっ!
「春日さんのロリコ」
ぶち。
「んなわけあるかぁぁぁ!」
勢いよく突き出した手で冥さんの口を塞ぎ、そのまま上に向ける。
もちろんsinθ×腕+肩までの身長で、冥さんの足は宙ぶらりんだ。足や手をばたつかせている。あと香月がおろおろしてる。
「冥さん、ロリコンとか根も葉もないくせに誤解されやすい単語は言わないでくれる?」
腕と足がバタバタ暴れている。むぅ、これはこれでおもしろ……。
「──明日の夜、駐屯地の娯楽施設周辺にて」
僕はとっさに振り返る。しかし、忙しく動き回る隊員以外誰もいない。今のはいったい……女性の声か。
「あ、泡! 三佐! 二尉が泡!」
絶叫する香月の視線の先には、ぶくぶく泡を噴いてぐったりする冥さん。
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