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どこか疲れきった表情をつねに浮かべているギルバート・ベイリアル少佐であった。
「はい、今は三佐ですが。覚えていましたか」
「自分すら覚えてもらってるか自信のない相手に普通、跳び蹴りをするのかなキミは」
どうやらよほど不満らしい。とは言われてもねぇ。
「ギルバート少佐なら大丈夫と思って……大の大人がうずくまって「の」を書くな」
相変わらずの打たれ弱さと生命力である。
「で、ギルバート少佐がなぜここに? 本部にいるのでは?」
「た、単刀直入に聞くのだなぁ」
ギルバートは脂汗を滲ませて、無理やり作り笑いを浮かべる。当たり前だ。彼は消去関連の科学者であり、特殊技術開発局が閉鎖した後の彼女たちの所在を知る数少ない人なのだ。
ギルバートは服装を整えると、目を細くする。
「キミの状況を確認しに来ただけだ。もちろん上層部には、一尉とオレとのコンタクトは禁じられるがな。まぁオレは英国軍だから無視してる」
「自衛軍の制服ですけどね」
「放っておけ。で、天地レイやシャルロッテのことを聞きたいのか?」
えーっと……全くそんなことはないんですけど。頬をかきつつ答えた。
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