第47話 抱えし三日の苦悩

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 いくらなんでも我慢はできないぞ。  ──唐突にギルバートは右足を軸にして反転した。そして振り返りざまに、懐から消音器尽きの拳銃を取り出して発砲した。  弾丸は僕の顔を掠めながら飛んでいった。犠牲になった髪の毛がはらりと落ちた。  ギルバートは拳銃を懐にしまうと、 「さて、話すとするか」 「ちょっと待てぇぇぇっ! 今発砲しただろ!? 当たりかけたぞ!」 「なるほど。回避能力はそれほど高くないようだな」  頭がくらくらしてきた。回避能力のテストをするためだけに発砲するなんて……。彼の考えることは理解し難い。 「まさか。キミに向けて撃ったわけではない。当てる自信もないしな」  ギルバートはそこを見ろと言わんばかりに僕の背後を指差す。眉をひそめながらも僕は振り返った。  長く伸びている廊下のちょうど真ん中あたりだろうか。1人の男が倒れていた。もしかしてと思い、ギルバートを見た。彼はうなずくと、 「総司令部……いや、上層部直属の諜報部だ。ここ最近、つきまとわれていてな。ちなみに実弾は使ってないから安心しろ」  そりゃ殺人沙汰は勘弁ですけど……。 「でもなんで諜報部が?」
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