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「おそらくはキミとの接触を阻止するため。もしくは会話記録をとるため。どちらにしてもオレには迷惑な話だがな」
思いがけない内容に瞳目して、ギルバートの言葉を反芻する。
僕との接触を阻止するため……でもそんなことしていったい何になるというんだ? たかが三佐になったばかりの士官だぞ。ましてや反乱軍やテロリストでもないし。
ギルバートは口の端を緩めると、
「将来の布石というヤツだ」
ますます意味がわからない。ギルバートもさすがにそれでは理解できないと悟ってか──それとも諜報部がいなくなったからか、話を続ける。
「上層部はキミが怖いのさ」
僕のことが?
「正確にはキミを中心にして、キミたちがしようとすることに」
僕が中心でさらに僕たち……僕が関係していて、複数人いるのか。
そこまで思考を巡らせたら、はたと気がついた。まさか……。
「この話はここで止めよう」
脈拍もなしに話を中断するギルバート。先ほどの考えを頭の隅へ押しやり、彼の話に耳を傾ける。
「──ところで、キミは天地レイについてどれだけ知っている?」
天地隊長について? どれだけと言われても、三等陸佐で20歳で素直じゃなくて……あれ?
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