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「もちろん。一目見て、だ。何年も関わっていると雰囲気というか空気でわかるのだよ。シャルロッテも因子に感染しているからな」
「シャルロッテもなんですか!?」
「あれでも分配子機なんだ。消去システムの原理上、因子に感染しなくてはな」
……シャルロッテか。長い間会ってないな。元気にしてるのかなぁ……。
ちょっと待て。シャルロッテも感染していると言ったが、そもそもなぜ消去システムを扱うのに因子に感染しなくてはならないんだ?
因子はスィエルによるただの病気ではないのか。
そう僕が聞くと、ギルバートは言い淀んだ。何かを考えている、あるいは躊躇っているようにも思える。
「そこまでは聞かされないのか……まぁいい。いずれわかるだろう」
ここまで来て話してくれないのか!? さすがに無責任すぎるのでは。
ギルバートは少し意地悪く微笑むと、
「安心しろ。すぐにわかるさ。すぐにな……」
その言葉の裏に秘めるものが、いったい何なのか僕にはわからない。ただ、彼の言うことが本当に起こる、そんな気がするだけだ。根拠も理由も何一つないが。
「さて、最後に1つ伝えなければならないことがある」
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