第47話 抱えし三日の苦悩

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 先回りされてしまった。まぁ実際それが聞きたかったのだから否定はしない。僕は首肯する。 「ずっと寝ているさ。対爆防護壁の部屋に隔離されてるとはいえ、その気になれば強行脱出も可能なのにな」  どことなく非難しているようだ。強行脱出しろと言っているようにもとれる。状況は変わらないか。 「そうですか……隊長の戦場復帰はないんですね。ありがとうございます」  お礼を言われた時のギルバートの驚愕した顔は、僕には忘れられないだろう。開いた口が塞がらないとはこのことのようだ。 「……それだけか?」  ギルバートが喉から声を絞り出す。 「本当にそう思っているのかっ!?」  僕の襟元を絞ると、ギルバートはそのまま僕を壁に押さえつけた。手が震えている。  あまりにも突然だから、肺から空気が全部抜けてしまった。新しい酸素を吸おうにも、絞られているため吸いにくい。やべ……死ぬかも。  熱のこもったギルバートに僕の窮状などわかるわけもなく、 「なぜ逃げないのか、お前にはわからないのか!? 彼女が何を思っているのか、わからないのか!?」  ……な、なんのことだ? 天地隊長が何を思っているかだと……。
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