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ハッと我に返ったギルバートが慌てて手を離した。
久しぶりの酸素に咳き込みながらも、僕はギルバートの言葉を頭の中で繰り返す。天地隊長がいったい何を思っているのか……。
「すまない。思わず自分を見失った。ただこれだけは知ってくれ」
ギルバートは鋭い眼光で僕を射抜くとただ一言だけ告げた。
「彼女は答えを待っている」
僕は何も答えられなかった。きびすを返して、颯爽と去っていくギルバートの広い背中が僕に何かを伝えている。
あぁ、そうだったのか。彼は始めから僕を非難していたのか。
だけど……僕は……。
第47話『抱えし三日の苦悩』END
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