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愛知に到着した第3師団は豊橋、豊川市の基地に移動し、静岡方面のスィエルに対する防衛任務に就くことになっている。しかし、基地側の受け入れ準備もあってか3日間だけ猶予ができたのだ。
それもそうだ。第3師団1万2000の人員を配置するのは短期間では難しい。さらにスィエルの動きも活発化する今ではなおさら多忙を極める。
よって第3師団には3日間の休息が与えられていた。しかも外出許可付きで。
「まぁ第3師団の配置場所がこんなところじゃなぁ」
僕は書類を作成しながらため息をついた。
「豊橋市はダメなんですかー?」
お盆いっぱいのコーヒーを持ってきた冥さんが首を傾げる。てか、いくら好きでもそんなにコーヒーは飲めないぞ。
「何言ってるんですかー。皆さんにも配りますー」
あ、そっか。そうだよな……ちょっと恥ずかしい。
赤面を隠すため、必要以上にパソコンの画面に顔を近づけた。目が悪くならなければいいけど。
「春日さーん、質問に答えてくださいよー」
コーヒーを配り終えた冥さんが、僕の背中にくっついてきた。あのう、人前でいきなり何してるんですか?
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