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外出中も大変であったが、もしかしたら帰ったときのほうが凄まじかったかもしれない。
なぜなら一番始めに僕を迎えたのは挨拶でなく、ほとんど怒号に近いものだったからだ。
一部始終を公開すると──
「春日三佐、今までどこにいたのですか!? 冥と探しましたよ!」
「本当ですー。あなたの帰りが遅いから心配したんですよー!」
「ちょっと冥、その言い方はまるで夫婦じゃない」
「気のせいですよー」
「いいえ、そんなことないわ。油断も隙もない!」
「春日さんのせいですよー」
置いてきぼりをくらった冥さんと香月の罵声……というか罵り合いを体中に受けて、重い足取りがさらに重くなる。てか最後のは僕に責任転嫁してないか?
腑に落ちないまま、逃げるように第3師団が占領している隊舎へと戻った。
今日は激しく疲れた。延々と裏話に近いものを話されて最終的にはうやむや。しかも変な物は拾うし。
「そうだっ」
僕は私物のノートパソコンを荷物から取り出した。基地内のを使ってもいいのだが、万が一というときがある。やはり公式な記録の残らない私物がこの場合は一番だろう。
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