第49話 陰謀と二重奏

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     外出中も大変であったが、もしかしたら帰ったときのほうが凄まじかったかもしれない。  なぜなら一番始めに僕を迎えたのは挨拶でなく、ほとんど怒号に近いものだったからだ。  一部始終を公開すると── 「春日三佐、今までどこにいたのですか!? 冥と探しましたよ!」 「本当ですー。あなたの帰りが遅いから心配したんですよー!」 「ちょっと冥、その言い方はまるで夫婦じゃない」 「気のせいですよー」 「いいえ、そんなことないわ。油断も隙もない!」 「春日さんのせいですよー」  置いてきぼりをくらった冥さんと香月の罵声……というか罵り合いを体中に受けて、重い足取りがさらに重くなる。てか最後のは僕に責任転嫁してないか?  腑に落ちないまま、逃げるように第3師団が占領している隊舎へと戻った。  今日は激しく疲れた。延々と裏話に近いものを話されて最終的にはうやむや。しかも変な物は拾うし。 「そうだっ」  僕は私物のノートパソコンを荷物から取り出した。基地内のを使ってもいいのだが、万が一というときがある。やはり公式な記録の残らない私物がこの場合は一番だろう。
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