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可愛らしい猫のプリントがされてあるUSBメモリーをノートパソコンに接続した。しかしデータは閲覧できそうにない。
「……あれ? なんだこりゃ。ロックされてるし」
入手経路は極めて不用意なくせして、異様なほど厳重なロックがかけられていた。20桁英数混じりの発狂ものだ。もちろんこんなもの僕が解除できるわけがない。どうやら八方塞がりだ。
これは椎名さんが置いていったものじゃなく、本当に落とし物なのだろう。あんな話の後なんだから、紛らわしいマネはしないでほしい。
「これからどうするかなぁ……」
僕はノートパソコンを閉じると、ベットに大の字になった。これから先の事を考えると、全てがいっぱいいっぱいだ。苦しい。
何もしなければ、明日には第3師団司令部要員として豊橋基地に移動だ。別にそれでもいい。とゆーかそれが一番の選択肢だ。
オリジナルも消去システムがスィエルを基にした兵器だというのも、聞かなかったことにすればいい。なんなら今すぐ椎名の存在を通報してもいい。
だが……どうしてもその気にはなれない。情か、はたまた納得できないのか。僕にはわからない。
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