115人が本棚に入れています
本棚に追加
~1ヶ月前~
高校一年の10月。クラスのみんなが打ち解け合い出したこの時期。
「はいっ?今、何と?」
私は、突然の言葉に思わず聞き返した。「だから~、おじいちゃんの学校に転校してほしいの~」
甘えた声を出すのは、母親の富丸利恵だ。
「なんで、私が転校しなきゃ行けないの!!」
他にも、聞きたい事は沢山あったけど、その中でもお母さんが答えられそうな疑問をぶつけた。
「だって~、大鳥家にはいぶちゃんしか、高校生がいないんだもん」
大鳥家は、お母さんの旧姓だ。
そう…、大鳥家には高校生…というか、学生が私しかいない。
理由は、簡単。
お母さんが一人っ子で、私も一人っ子だからだ。
「じゃあ、何のために私は転校しなきゃなんないの…?」
私は、半ば呆れていた。
「それはぁ~…、分かんない…」
「はぁっ!?分かんないっておかしいでしょ!?」
私が、大声をあげたからか、お母さんは体を縮こませた。
「まさか…!何も聞かずに了解したんじゃ…」
「ごめんなさい!!」
お母さんは、勢いよい頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!