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「あちらのお客様からですよ」 愛想のないバーテンダーは愛美から見て左をさした。 そこには青年がすましていた。 愛美は、くぎづけになる自分にハッとしながら頭を下げた。 「ありがとうございます。頂きますね」 唇を上げて笑う愛美を見て、青年は立ち上がった。 満足そうに。 愛美の引き止める声も虚しく、 バーのドアに反響して静寂に消えた。
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