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《記憶 -過去-》
あたしには、昔の記憶がない。
でも、変なこととは思わない。
ただ、1人で生きてればいいだけ。
-朝-
チチチチチチッ
輝「ん~…。」
小鳥のさえずりが聞こえる。
輝「さぁ、朝ごはん作らなきゃ…。」
あたしの朝が始まる。
輝「あっ!?また…焦げちゃった…。」
あたしは体が弱い。
なぜかはわからない。
記憶がないから。
輝「また、朝ごはん抜きか…。」
下手に体壊したら、1週間は治らないだろう。
輝「しょうがない、学校行こ。」
――――――
―――――
――――
―――
――
―
-都立 松坂高校-
朝は騒がしい。
好きじゃない。
佳「おはよ♪」
あたしに懐いてるクラスメイト。『柳 佳奈子(やなぎ かなこ)』
輝「…1人でいいって。」
佳「美帆ちゃ~ん!」
友達が多いから、あたしは予備軍みたいなもん。
-教室-
輝「……。」
すでにHRが始まってる。
今日は、何か2人1組でペアになれだって。
このクラス奇数だし、ちょうどいいや。
先「なんだー、月神、1人か?」
輝「はい…。」
女子の数人がクスクスと笑う。
先「う~ん、しょうがない。誰か入れてやってくれ。」
佳「ひか…っ」
輝「いいです。」
ガラガラッ
あたしは教室を出た。
-屋上-
スゥー
風が気持ちいい…。
ガチャ
輝「だ・誰!?」
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