えいりあん雨龍

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「親父・・・」 僕は歯ぎしりをした。 どうして?なんで死んじまうんだよ!!写真を見上げる黒い額縁の中で笑っている親父。僕の頬に大粒の涙が流れ出す 「こんなに笑ってるのに・・・嘘だよな」 側にある棺へと目を向けた写真とは裏腹に固まったまま笑ってもいない親父がいた。叫びたくなる気持ちを押さえながらその部屋を飛び出した僕は『萩谷妖牙(はぎや・ようが)』たった今、父親をなくした大好きだった親父・・・(あんなに若いのにねぇ)(息子さんも奥さんも可哀想に)周りから聞こえる悲しい言葉可哀想?同情なんてイラナイ僕はたった一人の父を亡くしたんだ可哀想ですますな周りを見渡す母さんの姿がない!二階にいるはず僕は走った廊下の二つ目の部屋ドアをノックするしかし返事がない僕は不安になる母さん・・・ 「母さん居る?入るよ」 ガチャ勢い良く入ってもいけないからゆっくりドアをあける部屋の真ん中に母さんは座っていた肩をガックリ落とし僕の方をゆっくり見る 「あ。妖牙」 青いハンカチで涙をふく瞼が赤い。頬には涙の跡も残っていた母さんはまだ若く31歳。親父は30歳二人とも若い夫婦。その間で産まれた僕親父も母さんも喜んだ僕は親父の笑顔が好きだった母さんも親父を一番愛していただからこそ僕がしっかりしなくちゃ 「妖牙っ」 「母さん?」 母さんは僕を抱き締めた強く親父を抱き締める様に僕はそこで溜まっていたように涙が流れ続けた 「この前まで元気だったのに、笑ってたのに。いってらっしゃいってキスしたのに…どうして?なんで居なくなっちゃうの?」 ‐そう。笑ってたのに- 僕は母さんをそっと抱き締めて僕が親父の代わりに優しく背中をさするこれが親父だったら母さんは悲しまないのにな・・・
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