虹色

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「ノリさん、 あたしは大丈夫だから。 ノリさんは・・ 本当に大丈夫ですか?」 ああ、ノリはうなづく。 「俺も、仲間がおるから。 お前含めてな・・。」 そうですよね、 藍も笑った。 「前にな・・お前に。 昔、ほんまに大切にしてた子が おったって話、したやろ?」 はい、藍はそう答える。 「・・その子がな。 俺に言うたん。 MARIAでキラキラ輝いてる 俺がみたいって。 武道館とかでっかいとこで キラキラ輝いて唄ってる 俺をな。」 何・・話してるんやろ。 自分でもそう思ったけれど 止まらなかった。 「俺はがむしゃらに。 その言葉胸においてさ、 頑張ってきたん。 まったく客がおらんかった インディーズ時代も、 人気が少々 あがってきた時も・・ メジャーデビューしてからも。」 サクラの言葉・・。 「でもな、それらを全部して、 CDもめっさ売れて・・。 俺、何もかも・・ みえなくなったん。 あいつの言葉・・ 支えにしてきたはずやのに。 プレッシャーとか レコード会社の言い分とか・・ よくわかんない スキャンダルとか。 全部全部全部・・。苦しくて しゃあなくなったん。」 藍はただただ頷いてくれる。 「苦しくてしゃあなくて。 でも・・MARIAは 俺ががんばらな、あかん。 そう思ってた。 俺が売れる曲 つくらなあかんって・・。 俺がつぶれたら・・ あかんって・・。 そんな強くないくせに。」 ふっと笑ってしまう。
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