桜色の記憶

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悲しみを 笑顔に変えることはできるのに もう過去の思い出って そうやって楽しむことは できるのに。 どうしても傷は・・消えない。 ふとした瞬間に現れて 俺にとりついて離れない。 きゅっとシャワーをとめた。 「あほらし!」 思わず声に出して言ってみる。 シャワーからあがって 服を着替えて スタジオに向かう。 マネージャーの 円山が迎えに来るって いうけれど まぁいいや、自分で行こう。 荷物をもって出発。 帽子かぶって、 いやきっと帽子をかぶらなくても。 誰も俺に気付かない。 ライブハウスとか V系のバンドが好きな人たちの 集まりでも行けば 即効ばれるんだろうけど。 東京の街を 忙しく歩く人たちにとって 俺はどうでもいい存在。 まぁそのほうが、ええけど。 俺もそうやし。 他人なんてどうでもええ。 気使うほうが疲れる。 自分が一番大切。 ・・何も。 何も間違ってないよな?
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