桜色の記憶

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「おはよ~ ございますぅ~。」 にこにこ笑いながら コウジが近づいてきた。 ノリのソロプロジェクトの サポートメンバー。 Gtのコウジ。 一流のギタリスト。 いつもにこにこしてて 癒される。 美肌だって ファンの間でも有名(笑) 「よぉ~おはようさん。 今日もよろしくね。」 「は~い!」 時間も忘れて黙々と・・ 黙々と作業・・。 この部屋に 時計がなかったら。 ノリに時間を教える人が いなかったら。 この部屋から ノリは一生 でてこなくなるかもしれない。 そう本気で 自分で思ったことがある。 追われるように 音楽を作って。 楽しかったあの頃は・・ いつ? 苦しくなったのは・・ いつから? しんどくなったのは・・? わからない。 それでも俺には・・ 音楽しかないんだ。 「・・とんとん。」 甘い、甘い声がした。 ドアをたたく音の フリをした声。 ・・俺が聞き違える はずがない!! がばっと振り向くと・・。 「~は~い!ノリくん♪」 にこっと笑う、妖精。 ・・のような。 「崇さん!!!!」 ノリは尻尾が ちぎれるんではないかと 思われる犬のように、 入り口付近にいる崇に 大喜びで飛びついた・・。
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