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蒲田小学校に通う勝弘はこの春3年生に進級する。
家から学校まではおよそ20分程で少々遠く、
上空には飛行機の行き交う姿が見える。
勝弘はそんなに活発な性格ではなく、
ただ暗さを感じさせない不思議な少年だった。
友達はそれなりに多く、
いつも何も言わなくても勝弘の周りには友達が群がっていた。
成績は上から2番目くらいの優等生だ。
塾などには通わずに、習い事も一切なし。
両親は自分のやりたいようにやるのが1番だという方針。
基本的に勉強が嫌いな勝弘は家で、
大体の時間は空を眺めているか、ゲームをしているかだった。
宿題などは必ず学校で終わらせて帰ってくるのが習慣。
『学費は学校に払っている、家には払っていないのだ!』
という持論を小学生で持っている子は少ないだろう。
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