恋を彩る風の色

‐Memories in the rain“Blind Night”‐

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　あのあと、私がご飯を半分くらいまで食べ進めて、涼が三杯目のおかわりをしたところでお父さんはやっと正気に戻ってくれた。

「なんで先に食べてんの!?」と芸人さんよろしくなリアクションを見せてくれたお父さんだけれど、「うるさい、黙れ、さっさと食べなさい」というお母さんのヒドい反撃によって、ちまちまと箸をつけた。

　最近思うんだけれど、お母さんって鬼嫁の部類に入るのかな？

　とにもかくにも、今はお風呂もあがって明日の準備をしているところです。

「え～と、これとこれとこれを入れて……」

　今日配布されたプリントを読みながら明日の準備をする私。いきなり忘れ物をすると、先生たちにレッテルが張られちゃう、って昔翔が言ってた。それでも翔はなにか忘れ物してたけど……。

　そういえば綾ちゃんも絶対忘れ物をするタイプだよね、なんて思った私は、クスッと笑う。中学二年生のときなんて、鞄の中身がなにもなかったときもあったもんね。