‐Memories in the rain“Blind Night”‐

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   涼のこの発言に、私はなにがなんでも涼には見せない、と決意した。万が一のときは、カーテンでも教科書でもなんでもいいから隠してあげるんだからっ!  でも昔は翔も入れて三人で仲良く一緒にお風呂入ってた、ってお母さんが言ってたなぁ……。美姫さんとは少し歳が離れているから、一緒には入らなかったらしいけれど。だから、涼に見られているんだよね。  ……あれ?  ということは、もうすでに翔の裸も見ているし、見られているということ? 「…………」と私。しばらくの間、思考が停止したような気がする。 「……メッチャ顔赤いんだけど」  若干引き気味で言われた。  なにやらとんでもない事実を発掘してしまった私は、そんな涼の言葉にすら返事をすることができない。  だ、だ、だってだって翔のは、は、裸を……あ、あ、アレを私はもう見ていることに―― 「きゅ~」 「あれ、舞姉ぇ? ……倒れちゃったよ。まぁいいや、机の上にある充電器借りるねー」  
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