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そんな涼の言葉も聞こえなかったくらいショートしてしまった私が、次に気がついたのは翌日の朝だった。
お風呂あがってすぐにお肌の手入れをしてよかった。じゃなきゃ、次の日学校に行けなかったよ。
もちろん、私の机の上に充電器の姿はなかった。朝食をとっているときに返してくれたけれどね。
でも。
こんなに当たり前の日々が私たちの知らないうちに終わってしまう、ってことをすぐに思い知らされてしまった。……翔と別れてしまったときのように。
なにげない“いつも”のことも、失ってしまってから初めてかけがえのない大切なことだって気がつくもの。
私は一度、そんな経験をしているのに。
涙をからしても、泣き続けていたのに。
どうして。
どうして、私はこんなに悔やまなくちゃならないのかな。
どうして、私はまたこんなに泣かなくちゃならないのかな。
すべてが終わり、そして始まるまで――
――あと、少し。
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