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ここからは二人だけの方がいいと思った私は、綾ちゃんの背中を軽く押してセンパイの方へと動かす。
まわりの人たちの悔しがる声や、はやし立てる声で二人の声は聞こえない――いや、聞いちゃダメだよね――けれど、携帯を取り出してるから、たぶんメルアドとかを交換しているんだと思う。
しばらくすると、顔を真っ赤にした綾ちゃんが私の方へと走ってきたと思ったら、抱きついてきた。
「アンタのおかげよー舞っち。ホントにありがとー」
「えへへ~。今度のデート頑張ってよね~」
当たり前じゃない、と言いながらウィンクをした綾ちゃんは、まわりからの声に笑顔で手を振って応えているセンパイにお辞儀をすると、私の手を引っ張りながら退室した。
センパイもこっちに笑顔で手を振ってきてくれて、ホントにいい人だね。綾ちゃん頑張れ~。
「よし、とりあえず今日の任務は終了したわ。あとは純粋に遊びましょ」
「そうだねっ」
「歓迎祭が終わっても、まだまだ終わらないわよ! 今夜は飲み明かすわよ~」
「綾ちゃん、私たち未成年未成年」
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