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別に今えっちに見えるか見えないかなんていうことは、まったく関係ないと思うんだけど、走ることには首肯する。お店に迷惑をかけるわけにもいかないしね。
頷いた私を見た綾ちゃんは、せーの、とかけ声をかけると一目散に走り出した。私も綾ちゃんを追いかけるように足を進める。
鞄を頭の上に掲げてできる限り雨から身を守っているんだけれど、すごい土砂降りだよ~。あ、水たまりに入っちゃった……。
紺色のハイソックスから染み込んできた雨水の冷たさに、かなりの嫌悪感を抱いているんだけれど、綾ちゃんに置いていかれないように走らないと。
「……ふう」
「疲れた~」
雨宿りできる場所を見つけた私たちは、とりあえずそこで休むことに。制服がびしょびしょだよ、もう。
オシャレな赤いメガネについた雨粒を拭き取った綾ちゃんがメガネをかけ直すと、また空模様を確認し始める。
「もうちょっとすれば、弱まるかなー」
「? なんでそんなことわかるの?」
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