2378人が本棚に入れています
本棚に追加
/635ページ
詳しいところまでは覚えていないが、あとで麗人たちに連絡をして、俺は腕の中で眠る大切な幼なじみが悪夢を見ないよう、ずっと、見守り続ける。
◆ ◆
「大丈夫か舞?」
「うん、大丈夫」
「ホントにか?」
「ホントだって」
正午過ぎ。
舞は俺の問いかけにぎこちなかったけれど笑顔で返してくれたから、とりあえずは安心する。
舞が寝ている間に麗人と瑞穂に電話をした。まだなにも伝えていないが、俺の電話越しの語調からなんらかのことは感じ取ってくれたらしい。
これからいつもの公園に向かっている途中なのだが、麗人たちの姿を確認できたところで、俺は舞の方を向いて口を開く。
「あ、悪い。忘れもんしちった。ちょっと先行って瑞穂たちと話してて」
物忘れが激しすぎるよ~、と舞に呆れ顔で言われてしまったのだが、俺は笑って舞の頭を撫でる。
少し小走りで家にとんぼ返りしながら、舞が瑞穂たちと話し始めたのを振り向きざまに確認した俺は家に入る。
最初のコメントを投稿しよう!