‐Sunlit light‐

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  「……よし」  今日は母さんも姉ちゃんも仕事はない。しかもリビングにいるはず。玄関の鍵を閉めて、舞が簡単には入ってこれなくした俺は、二人がいるであろうリビングへ向かう。どうしても、先に確認したいことがあった。  リビングに入ると、母さんと姉ちゃんは昼食の後片付けをしていた。最近、姉ちゃんが家事をよくするようになったのだが、これも彼氏の影響なのだろうか。 「……あのさ」と俺。手を動かしていた二人に、俺はいつもとは違う口調で開口した。「……舞のことなんだけど」  二人の手が、ピタッと止まる。やっぱり、二人は知っている。舞の身に降りかかったすべてを。  二人の行動に確信を持った俺は同時に、憤りも抱き始めた。二人の目を交互に睨みつけ、俺は続ける。 「なんで、俺に教えてくれなかったんだよ? 舞のことなんだから、俺に教えるべきだろ。どうしてずっと黙ってたんだよ」 「……ごめんね、翔」  流し台から俺の目の前までやってきた母さんは、すぐに頭を下げてきた。  
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