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ふと、
──待って。
亮子はあることを思いついた。
もう一度リビングへ戻り、ソファに寝転ぶ父に目をやった。
ごうごうと大きな鼾を掻いて眠っている。
──仮に。
父が酒をのんで潰れてるとしたら、どうだろう?
明日、駿慶寺に行けるのではないか。
亮子はそう思った。
父の様子をみていると、何とはなしに大丈夫そうな気がしてきた。
父に見つからずに家を抜け出せば、みんなと一緒に桜を見にいける。
胸のあたりが熱くなるのを感じた。
徐々に興奮が高まっていった。
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