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亮子が駿慶寺を知ったのは中学に入学してすぐのことだった。 友達からその話を聞かされ、ライトアップされた桜はさぞかし綺麗だろうと胸を弾ませた。 桜が見えるわけでもないのに、亮子は夜になると近くの高台にある公園に行って、駿慶寺の方角を眺めたりした。 黒で塗りつぶされた山間の一箇所だけが、ぼうっと白く光り浮かびあがってみえた。 それだけで亮子の想像はかきたてられるのだった。 ライトアップされた桜の美しさはどれほどだろう。
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