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「亮子、明日行くの?」 仲のいい友達が嬉しそうに訊ねてくる。 亮子は学年で一番かわいいと評判だった。 亮子自身けっしてそうは思わないが、まわりはそういう目でみているし、実のところ自分でもそう振舞うことが度々あった。 亮子が行くなら、参加する人がふえる。 友達はそのこと知ったうえで誘っているのだ。 そうだね、と亮子はこたえた。 行きたい。 行きたい。 なんとしても夜桜を見に行きたい。 亮子は心が逸る。 みんなといっしょならさぞかし楽しいだろう。
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