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和馬が今日は久々に学校に来た。
あの日、何があったかは教えてくれない。私からも聞きづらくて…和馬の前で泣いちゃったのもあるから、少し顔を会わせづらい。
「ご主人様の所に行かなくていいのぉ~?」
「そうそう、久々の夫婦揃っての登校じゃない。」
「もぉ、そんなんじゃないってぇ…」
そんなことを言っているけど本当は…
お昼も一緒には食べれなかった。自分の、事が少し腹立たしく思える。
次は移動教室、勇気を出して声をかけよう!
「ね…和馬、あの…」
「和馬!行こうぜ」
声をかける前に、慶太くんに連れてかれちゃった…。もしかして、今のところのライバルは慶太くん?そう思いながらため息をついた。
「瑞希、行くぞ。」
「あっうん!」
和馬の方から声をかけてくれた。
ふと、教室をでて和馬が立ち止まる。
「和馬、どうしたの?」
「瑞希、何か匂わないか?」
そう聞かれて、周りを嗅いでみた。
「(クンクン)何も匂わないよ?」
「そうかぁ?草臭いって言うか…」
クンクン
そう言いながら、私に近付いて来る。
「ってなんで私を嗅ぐのぉ!!」
いつもの様に蹴ってしまった。まだ、病み上がりの彼はその場にうずくまってしまう。
「あ…ごめん。大丈夫!?」
慌てて彼に駆け寄った。
「痛つつ……純白…」
バンッ
教科書で彼の頭を叩く(強めに)
「もぉ!知らない!」
彼に背を向けて歩き出す。
ピュウッ
すると、一瞬風が吹いて振り向くと…
「和馬…?」
辺りに彼の姿は無い。
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