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和馬達のすむ町から電車2、3駅行ったところに、複合型商業施設がある。
県内最大級のこのショッピングモールは休日ともなれば親子連れやカップルで混雑する。
平日の放課後であるためか、高校生カップルや夕食の買い出しに来た主婦などが目立つなか二人は洋服売場にいる。
「う~ん、どれにしようかなぁ」
CDを買いに来たのに何故こんなところにいるのか?
それは、さっさと買い物を済ませた瑞希がこのまま帰るのもなんだから、何か買って♪と言って来たのだった。
「やられた…」
今現在の財布の中の住人と緊急会議をしていた。
ことによっては、瑞希に毎日弁当を作るように頼もうかとも考える顔ははたから見たら近寄りがたかった。
「何、変な顔してるの…」
気づけば瑞希も若干ひきつりながら此方を向いていた。
「いや…別に」
彼は邪な考えを降り消すと、買い物カゴを覗き込む。そこには、二種類の手袋があった。
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