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ー三年前ー
当時は中学二年生の優斗は、帰り道を歩いていた。
「ねぇ」
何処からともなく声が聞こえる。
「ん?」
優斗は辺りを見回すが、何もいない。
「ここだよ、ここ」
「ん?」
優斗は下を向く。
そこには黒い猫が優斗の前に座っている。
「なぁ~んだ猫か。…てゆうか声がしたような…」
「だから僕がそうだってば」
猫は一生懸命伝えようとする。
「………え?喋ってる?ヤベー、俺もとうとう幻覚を見るようになっちまったか」
優斗は深い溜息をつく。
「幻覚じゃないよ!とりあえず着いて来てよ!」
そう言って猫は何処かへと走りだす。
「(…新手の誘拐か?)…まぁ、面白そうだから行ってみるか」
優斗は何故か冷静に猫へ着いて行く。
しばらく着いて行くと、巨大なビルへ着く。
「ここだよ」
猫はドアの前で止まる。
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