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3.
明日から夏休み。
同窓会まで後何日か。
真理は学校の玄関から外に出た。
「真理!もう帰るのか?」
「信吾」
信吾は走ってきたのだろう。
軽く息を整えた。
「真理、今日暇?」
「今日?何で?」
信吾は真理の目の前に立ったまま、ちょっと考えた。
「言いたいことあるんだ」
「そっかぁ。でもあたしめぐと遊ぶ約束してるんだ。大事な話?」
真理は少し申し訳なさそうに言った。
今日は終業式があるだけだから、午前中で終わる。
部活はないところが多い。
一回帰って、それから会うことになっていた。
「や、やっぱいーや。またな!」
信吾は早口に言うと、真理に手を振って走り去った。
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