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真理は恵とカフェにいた。
家の近くにあるので、中学の時からよくここに来ている。
中学の時の友達の逸見瑠璃も今日は一緒だった。
瑠璃は二人とは別の高校に通っている。
真理は恵と瑠璃に帰りの話をした。
「それって、信吾くんは真理に告白したかったんじゃない?」
さらっと瑠璃は言った。
「あたしもそう思うよ。真理も気づいてるでしょ?」
続けて恵が言う。
二人が並んで座ってるため、真理は尋問されてる気分になった。
「信吾くん駄目なの?」
瑠璃がじっと真理を見た。
瑠璃は信吾を真理の話でしか知らない。
それでも、恵と同じように思うらしい。
「全然駄目じゃないよ。むしろ楽しいし」
そう。信吾といるのは楽しい。
真理は思い出してうなづいた。
「じゃぁチャンス逃しちゃったね」
瑠璃は残念そうな顔をした。
「チャンス?」
「彼氏できるチャンスだよ」
真理がおうむ返しをすると、瑠璃は笑った。
真理だって、けっして彼氏がほしくないわけじゃない。
(けど…)
逆に特に作ろうとしたいと思わなかった。
「真理、彼氏いらないの?」
瑠璃は話をする時相手をじっと見る。
それは彼女の習慣だ。
真理は困ったような笑顔で言った。
「瑠璃は?どうなの?」
逆に聞き返すことで逃げた。
瑠璃は曖昧に笑っただけだった。
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