1.同窓会

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2. 渡辺康人の元に、中学の時のクラスメートからメールが届いた。 それは同窓会の案内だった。 高一の夏休みに決行されるらしい。 渡辺は自分の席でメールを見ていた。 窓側一番後ろの席なので、溜り場となっている。 「同窓会?」 抱きつくように後ろから覗き込み、安田紗耶香は言った。 「見んなよ。」 渡辺は携帯を閉じた。 メールに返事はしていない。 紗耶香は抱きついたままだが、特に気にはしなかった。 「お前行くのかぁ?」 目の前の席に座る片岡祐介がにやにやと笑った。 渡辺はよくわからない微笑みを浮かべた。 「え?なによその笑いー」 その体勢のまま、紗耶香は渡辺を覗き込んだ。 「…そんな顔近付けて。キスしてほしいのか?」 「する?いーよ」 「ばーか」 くすくすと紗耶香は笑った。 紗耶香の腕をほどき、渡辺は立ち上がった。 「ちょっと渡辺ー?」 ドアに向かって歩きだした渡辺は、軽くひらひらと手を振った。 何故かわからないが、同窓会の話題に触れてほしくなかった。
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