番外編(ルーフとサクラ)

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ベットに寝ているサクラを見つけるとルーフの顔が蒼白になった。 やっと呼吸をしている彼女は、体を震わせている。まっしろのワンピースは真っ赤に染まり腹部からの出血をタオルで押さえていた。 彼女の唇からも少量の血液が見える。 吐血したのだろう。 ルーフは、ベットの上で彼女の上半身を起こす様にして抱き、腹部に回復魔術をかける。 「サクラ!もう大丈夫だからな…」 傷口を塞ぐ事は簡単だが、出血の量が多すぎる。 早く医療機関に運ばないと……… 「ルーフ?良かった。間に合った。」 「あぁ、大丈夫だ。まってろ、すぐ治療してやるから」 ルーフは、そう言いながら腹部の傷口を、見直した。 え? 回復魔術をかけているのに傷口は一向に塞がる気配がない。 驚いたルーフの顔を見るサクラは、色の無くなっている唇の端を上げて微笑んだ。 「そんなのずっとやってるわよ。ダメだったからこうして押さえて時間を稼いでたの…… もぉ、私もこれでも魔術師なのよ?」
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