業火の中で……

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「対巨人殲滅作戦、通称、A・G・J・O(アンチ・ギガント・ジェノサイド・オペレーション)……」 安住一佐の静かなセリフが2人の耳に吸い込まれて行く。現在、世界各地で同時進行されつつある、大規模巨人殲滅作戦の事だ。 巨人出現時から、人類は火力では圧倒的優位に立っていた。あらゆる火器を使用して巨人を駆逐し続けたが……、敵も進化をしていたのだ。やがて、戦線は膠着した。 「今回の計画は、"新型"を投入する為のパイロット的なモノだ、せいぜい頑張ってくれたまえ、2人共」 安住一佐は、そう言い残して、倉庫から出て行く。 無言になった、豪一とエリカの2人が残された。 「さぁてと、ビルシュタイン少尉殿、とりあえず、飯食わねぇか?」 豪一は、エリカの前に陸上自衛隊自慢の戦闘糧食"缶飯"を取り出してきた。五目飯と沢庵、そして牛肉の大和煮とサバ味噌煮を取りだしてきた。 陸上自衛隊のレーションは、ご飯を主軸に置く構成だ。かつては、缶詰が中心だったが、現在はレトルトパックの戦闘糧食も出来ている。 ちなみに、米軍のコンバットレーションの不味さは、際立っていて、フランス軍のコンバットレーションとの取り引き割合は、3対1、どちらか多いかは、言わずと知れた事だろう。
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