=起動=

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「私が指示したのよ」 シュミレーター制御室からナターシャーが出てきて、エリカに告げる。 「貴女が?、なぜ?」 エリカの問いかけに、ナターシャは腕組みをして、答える。その表情は少し堅い。 「"大人の事情"ってヤツよ」 「事情ねぇ……、私の腕はそんなにヤバい、シロモノなの……」 エリカは自分の右腕を眺めて、額に青い筋を浮かべ、ため息を付く。 「それに、エリカ、あんた、轟二曹をそんなに責めちゃダメよ、その人が居なかったら死んでたわよ」 「私が死んでた!?」 「彼の的確な止血処置がなければ、あの場所で出血死してたわよ、貴女は…… 」 エリカは神妙な面持ちで豪一の様子を伺うように顔を覗き込んだ。 「よせやい、当然の事をしたまでだ、目の前で死なれてみろ!、目覚めが悪いぜ」
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