18人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
「私が指示したのよ」
シュミレーター制御室からナターシャーが出てきて、エリカに告げる。
「貴女が?、なぜ?」
エリカの問いかけに、ナターシャは腕組みをして、答える。その表情は少し堅い。
「"大人の事情"ってヤツよ」
「事情ねぇ……、私の腕はそんなにヤバい、シロモノなの……」
エリカは自分の右腕を眺めて、額に青い筋を浮かべ、ため息を付く。
「それに、エリカ、あんた、轟二曹をそんなに責めちゃダメよ、その人が居なかったら死んでたわよ」
「私が死んでた!?」
「彼の的確な止血処置がなければ、あの場所で出血死してたわよ、貴女は…… 」
エリカは神妙な面持ちで豪一の様子を伺うように顔を覗き込んだ。
「よせやい、当然の事をしたまでだ、目の前で死なれてみろ!、目覚めが悪いぜ」
最初のコメントを投稿しよう!