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「うわー、もろ日本食じゃない、もうちょっと、気の利いたモノはないの?」
「何だあ、まだ足りねぇのか、"おでん"ならあるぞ」
「"おでん"ねぇ……」
エリカは鼻元にしわを寄せ小馬鹿にした様な態度で豪一を見やる。しかし、身体は正直だ、彼女のお腹の虫は盛大な音を奏でる。
「胃袋は泣いてるが?、ビルシュタイン少尉殿」
エリカは顔を真っ赤にして、お腹を押さえて叫んだ。
「あー、もぅー、こんな時に鳴っちゃうなんて!!、仕方ないわね!、食べてあげるわ!!」
エリカは、プリプリと怒りながら、豪一から白米の缶と箸を受け取り、豪快に食べ始めた。文句を言う割りには、美味しそうに食べている。
「ケッ、素直じゃねぇな、美味しそうに食べてる所は子供みてぇに無邪気で可愛いのになぁ……」
「ぶっ!?、大人の女に可愛いいは、ないでしょ!!」
「ん!?、すまん、オバサンだったな……」
豪一は余計な一言を発して、エリカから今日、三回の平手打ちを食らっていた。
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