=起動=

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エリカは、まだ何か言いたげな眼差しで豪一を見つめていたが、ナターシャに強引に引きずられ遠ざかっていく。そんな2人に豪一は言葉を投げ掛けた。 「2人共、無茶するんじゃねぇぞ!!、先は長げぇんだ焦るなよ!!」 もっとも、そう言った豪一の方も、これからやって来る。"新型"の調整に追われる事になるのだが。 豪一の機体は、横浜から東京湾沿いにトレーラーに載せられてやって来る。アクアラインのトンネルは、機体が大き過ぎて入らない為に通行不可能なのだ。 約6時間後の正午過ぎ、その機体は豪一の前にやってきた。覆われたシートカバーを外された中に存在したのは、仰向けに寝かされた状態の機体。戦車を輪切りにして積み上げた様な造形。つまり、四角い箱を積み重ねた方面体の塊が横たわっていた。 機体から醸し出される兵器感が半端ない、分厚いチョバムアーマーやリアクティブアーマー、各種マウントされた兵器装備。 (はぁーっ、かなり強化されてんなーっ) トレーラーの荷台の周りを豪一はぐるぐると巡りながら機体をチェックしていく。明らかに、前より重武装化している。そんな彼の後ろに豊田整備長がやってくる。
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