=起動=

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その、豪一を戦慄させた機体の発展型が、エリカの目前にそびえ立つ。細身のスッキリとしたフォルムと長い手足にサムライの甲冑を思わせる装甲をまとっている。 「うわぁーっ、めちゃくちゃ人間臭いじゃない……」 エリカが、そうこぼす程、それは、生々しく、心臓の鼓動を感じるほどの生命力をほとばしらせていた。 「やっぱり、人造人間なんだ……」 機体を見上げるエリカの背後から、ナターシャがゆっくりと歩み寄ってくる。 「前の機体が、轟二曹にバラされちゃったからね。コイツは、それの代わりに向こうから引っ張ってきたのよ」 「前とは、何処が違うの?」 エリカの問いかけにナターシャは、薄気味悪い笑みをその美しい面持ちに浮かべ口を開いた。 「精神感応性能が今までの30倍よ、それだけ言えば分かるわよね!」 「反応スピードも、30倍増しってこと!?、どれだけ強化されてんのよ!!」 操縦士として、乗り込むエリカにとって、それだけ感応力が高いと言うことは、体に対する負担も半端ない事を示していた。彼女の不安はもっともだった。
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