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赤くなった、左頬をさすりながら豪一は、エリカに真剣な眼差しを向けた。さっき迄のフザケた感じでなく神妙な感じの目付きだ。
「あんた、こんな極東のへんぴな基地に"ナニ"しにきた?」
「あら、さっき安住一佐が言ってたの聞いてないの?」
エリカは、食べながら軽く流す様に答えたが、少し落ち着かない様子が食べる速さが変わった事でうかがいしれた。
「なぜ、本国(米国)でやらない?、あんたの重機はアメリカのジェネラル・ベビー・インダストリー製だな……」
豪一の探るような目付きに、エリカは戸惑いを覚えていた。カバーシートの隙間から見えた機体の特徴から製造メーカーを言い当てる、観察眼は侮れないとも感じていた。
「まったく、油断も隙もないわね……」
「ん、単に興味があっただけだ、どうせ厄介なコトだろう、話さなくていいぜ」
豪一は、沢庵をかじりながら、ご飯缶の2つめを食べ始める。エリカも無言でやはり、おでん缶を開けて食べる。
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