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エリカの機体は、背中側の装甲が外側に開き、その内側にある赤とピンクの淡い色彩の幾重にも重なる肉襞が蓮の花のような内部構造になっていた。それは、女性の生殖器を思わせる造形だった。エリカは思わず頬を赤らめた。
(なんて、卑猥な構造なの……)
そんなエリカの心の中を見透かす様にナターシャは、口元を綻びさせ囁く。
「"ナニかに、似てる"って思ってるでしょ。確かに、そうなのよ、コレは人を育む"コブクロ"と構造は一緒なの」
ナターシャの言葉通りに受け取るなら、まさしく、コレは女性の子宮に当たるといえるモノだった。
「じゃあ、このこは、女なの?」
エリカは疑問点をナターシャに向けて、矢を射る様に放った。
「男でも、女でも、ないわ、あくまでも、人を保護する器官として、存在するの……」
そう言う、ナターシャは言葉尻を消えいる様に濁した所にエリカは彼女の苦悩を感じていた。
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