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あれから、一週間が過ぎようとしていた。エリカも豪一も、自らのチームでの機体調整に追われていた。
そして、今日は第一回目の模擬戦を迎えようとしていた。互いの様子は伝え聞く以外にないが、差し向かいに位置する拠点はその目で相手の動きが見える。日本チームの拠点では、豪一達が忙しく動き廻っていた。
「整備長、作戦データを送ってくれ」
豪一は、そう言うと薄暗いコクピットの中で計器のチェックを行っていた。動力、火力、センサー、カメラ、伝達系、一通りのチェックを済ませ一息付く。
「アイツ(エリカ)め、結構無茶しやがって、今回はしっかり借りを返してやる」
豪一の機体は、C4I(シー・クウォドルプル・アイ)[指揮・統制・通信・コンピューター・情報]と呼ばれるシステムを搭載している。これは、陸上自衛隊の戦術ネットワークで戦車などの戦闘車両の情報共有や歩兵部隊と一体化した作戦行動が可能になるシステムだ。
彼の機体の固定兵器装備は44口径、120ミリ滑空砲と70ミリロケット弾。滑空砲は戦車砲と同一規格のモノだ、これは互換性を重視した結果、採用されたものだ。
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