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夏美は、豪一とエリカを離れに案内する。母屋から少し離れた場所に建つそれは、元々、牛や馬を飼う場所だった所だ。
「少尉殿、むさ苦しい場所だが、くつろいでくれ。俺は母屋で寝るからな」
豪一は、そう言って母屋に向かおうとするが、夏美がそれを制止した。
「豪兄、済まないけど、母屋に部屋がないのよ……、豪兄の部屋は私の部屋になってるの……」
「なっ、なにいーっ!!、ってことは、ここに2人で寝ろってか!!」
「まあ、豪兄、母さんも気を利かせたつもりなんだし期待に応えてあげてよ」
「おい、おい、何の期待だ!!、舞台設定やり過ぎだろ!!」
豪一は夏美の襟首を捕まえ文句を言いながら拳固で彼女の頭をこずいていた。
「轟二曹、私は構わないわよ、貴方さえ理性を保ってくれれば問題はないわ」
エリカは嫌な顔一つ見せず豪一と同じ部屋で寝るつもりである事を2人に伝えていた。夏美は明るい笑顔で豪一を逆に肘鉄でつつきながら答える。
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