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「とりあえず、豪兄、エリカさんも着替えたら?」
夏美が2人に着替えを進める。夏美はエリカを奥に案内し、豪一に襖の陰から顔だけ覗かせ、いい放つ。
「豪兄!、覗かないでよ!!」
「バカ野郎ーっ、お前の貧相な体なんぞ興味ねぇわ」
その夏美の頭越しにエリカも顔を出して、豪一に瞳をひそめて言う。
「覗いたら、殺すから……」
「わかってる、少尉殿の裸は高くつくからな……」
豪一は、少し落ち着きなくエリカの問いに答える。
やがて、夏美が返ってくると豪一の隣りに、ちょこんと座り、ニコニコと笑いながら彼に言う。
「豪兄、エリカさんって、良い女性(ヒト)だね!」
「ん!?、少尉殿が、か?」
夏美は、エリカの過去など知らない、極めて表面的には常識的な振る舞いを演じているが、一皮剥いた本性はドロドロの復讐心に凝り固まった、イカれた女である事を……。
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