18人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
「ぷはぁーっ!!、驚いたわ!?」
湯船から頭を出したエリカと夏美は顔を見合せ、大笑いしていた。
「お前ら、いい加減に出ろよ!!、のぼせて、茹でダコになっちまうぞ!!」
「なに、覗きに来てんのよ!!、豪兄ーっ!!」
豪一が痺れを切らせて、浴室の扉を引き開け、催促するのだが、エリカと夏美の2人は顔を出した彼にお湯を浴びせかけて撃退する。
「おわーっ!!、夏美、なにしやがる!!」
「豪一さん、あわてなくても、もう上がるわよ」
エリカのその言葉を受けて、豪一は脱衣場の外でしばらく時間を潰していた。やがて、2人は脱衣場から姿を現したのだが……。
「浴衣か、なかなか風情があるじゃねぇか」
エリカと夏美は、藍色と薄紫の朝顔模様があしらわれた浴衣を羽織り戸口から出てきた。夏美はともかく、エリカのその姿に豪一は、清楚な中にも、そこはかとなく色香を感じる。
「あーっ、豪兄ーっ!!、目付きがいやらしい!!」
「うるせ!!、夏美、お前はいちいち一言、多いんだ!! 」
そう言い残し、豪一は脱衣場に入って行く、途中、エリカとすれ違うが、敢えて言葉を交わさなかった。彼女の石鹸の残り香が豪一の鼻にまとわりついていた。
最初のコメントを投稿しよう!