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訝しげに答える豪一に、エリカは顔色を変えて反論を始めたのだった。
「問題点有り過ぎじゃない!!、若い男女が同じ所に寝るのよ!!、ナニかあったらどうするのよ!!」
エリカの過剰なまでの反応に豪一は、肩を落とす。昼間の反応とは正反対の態度に女心の微妙さを感じる。とりあえず彼女の希望を受けて、2人の間に屏風の衝立を設けて境界線を作ったのだ。
「うわーっ、ナニよ、この絵柄は!?」
エリカが、その屏風に描かれた絵柄を見た瞬間、顔を歪ませた。屏風図は地獄絵図、おどろおどろしい雰囲気を醸し出す絵柄が2人を隔てる。
「いやぁ、こりゃ少尉殿の心証風景そのものだな……」
「ナニよ、その言い草は、私の心は、こんなに酷くないわよ!!」
2人は地獄絵図の描かれた屏風を挟んで向かい合い話しを続けていた。これからの2人の運命を暗示するかの様な絵柄と内容にエリカは恐怖を覚え、豪一は戦慄していた。
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